「そういえば、あのお客様、最近見ていないな」——カルテをめくっていて、ふとそう思うことはありませんか。日々の施術に追われていると、しばらく顔を見ていないお客様への一声は、どうしても後回しになりがちです。
けれど、久しぶりのお客様にこちらから送る一通のメッセージは、新規集客の何分の一かのコストで、失われかけた売上を取り戻しやすい、費用対効果の高い打ち手です。本記事では、メール・LINE・DM(ハガキ)それぞれで「久しぶりのお客様」に送る再来店メッセージの文例を、そのままコピペして使える形で収録します。あわせて、送る前に決めておくこと、メール送信で必ず守るべき法律のルール、反応を上げる書き方、そして——多くのサロンが一番つまずく「毎月続ける」を仕組みにする方法までを、1〜4人規模のサロン向けに整理しました。
結論:久しぶりのお客様は「3ヶ月の壁」を越える前の一通で戻る
先に結論をお伝えします。久しぶりのお客様への声かけは、最後の来店から日が浅いうちに送るほど戻りやすい。多くのサロンは、お客様が完全に来なくなって半年・1年たってから慌てて連絡しますが、それでは手遅れになりがちです。来店間隔が空き始めた「ご無沙汰」の段階——多くの業態で最終来店から1〜3ヶ月——で、売り込みではない一通を送ること。これが、もっとも反応が取りやすいタイミングです。以下、その理由とすぐ使える文例を順に見ていきます。
なぜ「久しぶりのお客様」への一通が効くのか
お客様の7割は「嫌い」ではなく「なんとなく忘れている」
サロンに来なくなったお客様の多くは、何か不満があって離れたわけではありません。「忙しくて予約しそびれた」「なんとなく足が遠のいた」——つまり積極的な理由ではなく、ただ思い出すきっかけがなかっただけ、というケースが大半を占めると言われます。だからこそ、こちらから「思い出してもらう」一通を送るだけで、想像以上の確率で戻ってきてくれます。逆に言えば、連絡をしないことは「忘れられたまま」を放置することと同じです。
「ご無沙汰」と「休眠」は違う — 早いほど戻りやすい
ここで大切なのが、「ご無沙汰」と「休眠」を区別することです。一般に「休眠顧客」と呼ぶのは最終来店から3ヶ月以上が経過したお客様を指しますが、本当に効率よく戻ってもらえるのは、その手前の「ご無沙汰」段階です。時間がたつほどお客様の生活の中でサロンの記憶は薄れ、別の店に移ってしまう可能性も高まります。放置した休眠顧客がサロンの月商をどれだけ削っているかは「休眠顧客3ヶ月放置でサロンの月商はいくら消えているか」で具体的に試算していますが、要は早期接触ほどコストが低く成功率が高い、ということです。
送る前に決める3つのこと — 誰に・いつ・どのチャネルで
やみくもに全員へ同じ文面を送っても、反応は伸びません。送信前に「誰に・いつ・どのチャネルで」を決めておきましょう。
誰に送るか — 全員を追わない
まず、全員を追う必要はありません。複数回来てくれた常連だった方、客単価が高かった方、指名や紹介をしてくれた方——こうした「戻ってきてほしい優先度の高いお客様」から声をかけます。一度きりの来店で離れた新規客と、10回通ってくれた常連客では、かけるべき手間も文面のトーンも変わります。優先順位の付け方は「休眠顧客を全員追わない|戻すべきお客様の見分け方」で詳しく整理しています。
いつ送るか — 最終来店からの日数で変える
タイミングは「最終来店からの経過日数」で設計します。目安は次のとおりです。
経過日数 | 状態 | 推奨アクション |
|---|---|---|
30〜45日 | 来店周期が一度空いた | 軽い「次回いかがですか」の声かけ |
60〜90日 | ご無沙汰になりかけ | 再来店メッセージ(本記事の中心) |
90日〜6ヶ月 | 休眠の入り口 | 特別感のあるDM・ハガキ |
6ヶ月以上 | 休眠 | 最後の一押し(無理に追わない判断も) |
来店周期は業態で大きく異なります。月1回が普通のもみほぐしと、2〜3ヶ月に一度のフェイシャルでは「ご無沙汰」の基準が違うので、自店の平均来店周期から逆算してください。来なくなる前に在店中で次回予約を確定させる予防策は「サロンの次回予約でリピート率を上げる方法」もあわせてご覧ください。
どのチャネルで送るか — メール・LINE・DMの使い分け
チャネルにはそれぞれ得意・不得意があります。
チャネル | 長所 | 短所 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
LINE | 開封されやすく手軽・即時 | 友だち登録が前提・砕けすぎ注意 | ご無沙汰段階の最初の一通 |
メール | 長めの案内・予約リンクを載せられる | 開封されにくい・法律のルールあり | 案内・季節のお知らせ |
DM・ハガキ | 特別感・物理的に手元に残る | コストと手間がかかる | 大切な常連・長期ご無沙汰の一押し |
LINEは開封率が高く気軽に送れる反面、登録していないお客様には届きません。メールは情報量を載せられますが、後述の法律ルールを守る必要があります。ハガキ・DMは手間とコストがかかるぶん開封されやすく特別感が出るので、大切なお客様や長く空いた方への「一押し」に向きます。チャネル別の文例集は「サロンの休眠顧客を呼び戻す!手紙・DM・LINEメッセージ文例集」も参考になります。
メールで送るときに必ず守る法律のルール【特定電子メール法】
LINEやハガキと違い、宣伝・案内を含むメールを送るときは「特定電子メール法」という法律のルールがあります。知らずに送ると違反になり得るので、最低限ここだけは押さえてください。
守るべき3つの義務
1. 事前の同意(オプトイン):広告・宣伝メールは、原則として「メールを送ってよい」と同意を得たお客様にだけ送れます。予約時やカウンセリングシートで「お得な情報をメールで受け取る」にチェックをもらうなど、同意を記録しておきます。
2. 送信者の表示:メール本文に、サロン名(送信者の氏名・名称)と問い合わせ先を分かるように記載します。
3. 配信停止(オプトアウト)の導線:「今後の配信を停止したい方はこちら」と、受信拒否できる方法を必ず明記します。
これらは総務省・消費者庁が所管する特定電子メール法(総務省)のルールで、違反には罰則も定められています。詳しくは特定電子メール法の条文(e-Gov法令検索)もあわせてご確認ください。
サロンが見落としやすいポイント
よくある見落としは、「以前メールアドレスをもらったから送ってよい」と思い込むことです。予約のために取得したアドレスと、宣伝メールを送る同意は別物として扱うのが安全です。また、お客様の連絡先は個人情報にあたるため、取得した目的の範囲で適切に管理する必要があります(参考:個人情報保護委員会)。なお、LINEやハガキは特定電子メール法の直接の対象ではありませんが、「同意なく頻繁に送らない」「いつでもやめられるようにする」という配慮の考え方は、どのチャネルでも共通です。
【コピペOK】久しぶりのお客様への再来店メッセージ文例集
ここからは、そのまま使える文例です。【 】の部分を自店の情報に置き換えてお使いください。
メール文例(件名つき)
■ 1〜2ヶ月ご無沙汰のお客様へ(やわらかく)
件名:【サロン名】◯◯様、お変わりありませんか?
◯◯様
いつも【サロン名】をご利用いただきありがとうございます。スタッフの【担当者名】です。
少し時間が空きましたが、その後お体の調子はいかがでしょうか。季節の変わり目は肩や頭まわりに疲れがたまりやすい時期です。もしお疲れが気になるようでしたら、ぜひ一度リフレッシュにいらしてください。
ご予約はこちらから承っております → 【予約リンク】
ご来店を心よりお待ちしております。
【サロン名】/【住所・電話番号】
※配信を停止される場合は【配信停止リンク】からお手続きください。
■ 3ヶ月ほどご無沙汰のお客様へ(きっかけを添えて)
件名:【サロン名】◯◯様へ、季節のお知らせです
◯◯様
ご無沙汰しております。【サロン名】の【担当者名】です。
前回は【前回メニュー/お悩み(例:肩こり)】でご来店いただきましたが、その後いかがお過ごしでしょうか。
このたび【新メニュー/季節のおすすめ】をご用意いたしました。久しぶりにお越しいただく◯◯様に、ゆっくりおくつろぎいただけるかと思います。
ご都合のよい日を2〜3日お知らせいただければ、こちらで空き状況をお調べしてご連絡します。
【サロン名】/【住所・電話番号】
※今後の配信を希望されない場合は【配信停止リンク】から停止できます。
■ 半年以上ご無沙汰のお客様へ(特別なご案内)
件名:【サロン名】◯◯様、お久しぶりです
◯◯様
すっかりご無沙汰しております。【サロン名】です。
ふと、以前ご来店くださった◯◯様のことを思い出し、ご連絡しました。お変わりありませんか。
久しぶりにお越しくださる方へ、ささやかですが【特典内容(例:オプション1つ無料)】をご用意しています。「また行ってみようかな」と思っていただけたら、こんなにうれしいことはありません。
ご予約・お問い合わせ → 【予約リンク/電話番号】
※配信停止は【配信停止リンク】から。
LINE文例 — 短く・気軽に
■ さりげない一言
◯◯様、ご無沙汰しております🌿【サロン名】です。お体の調子はいかがですか? もしお疲れが気になるようでしたら、ぜひお気軽にお越しくださいね。ご予約はこのトークからでも承れます。
■ 季節のきっかけ
◯◯様、こんにちは! 急に冷え込んできましたが、肩や首はこわばっていませんか? 久しぶりに頭まわりをゆるめにいらっしゃいませんか😊 ご希望の日を教えていただければ、お席をご用意します。
■ 次回予約へのやさしい誘導
◯◯様、お久しぶりです! 前回から少し時間が空きましたね。よろしければ次回のご来店日を仮で押さえておきましょうか? ご都合のよい候補を2〜3日いただければ調整します🗓
DM・ハガキ文例 — 特別感を出す
■ 手書き風の一文
◯◯様
ご無沙汰しております。季節が変わり、ふと◯◯様のことを思い出してお便りしました。お変わりありませんか。またお目にかかれる日を楽しみにしております。お近くにお越しの際は、どうぞお気軽にお立ち寄りください。 【サロン名】【担当者名】
■ 長期ご無沙汰の常連様へ
◯◯様
いつもお世話になっております。【サロン名】です。しばらくお会いできておりませんが、お元気でいらっしゃいますか。以前、◯◯様に喜んでいただいた【メニュー名】も、より心地よく改良いたしました。久しぶりのご来店をお考えの際は、このハガキをご提示いただくと【特典】をご用意します。スタッフ一同、お待ちしております。
そのまま使える「書き方の型」5ステップ
文面に迷ったら、次の5ステップに沿えば、どのチャネルでも応用できます。
① あいさつ+相手を気にかける一言(お変わりありませんか)
② 前回の施術・会話に触れる(覚えている感を出す)
③ 来ていない間の変化やおすすめ(押しすぎない)
④ 来店ハードルを下げる一言(「ご都合のよいときに」)
⑤ 予約の導線(リンク・電話・LINE)
手紙・DMの例文は「サロン休眠顧客への手紙・DM例文テンプレート集」にも季節別・離脱期間別のパターンを収録しています。
やってはいけないNG文面3パターン
反応を下げてしまう典型を3つ挙げます。
1. 売り込み感が前面に出る:「今だけ50%OFF!」だけのメッセージは、安売り店の印象を与え、特典が終われば来なくなります。価値より値引きが主役になると逆効果です。
2. 一斉送信だと分かる:「お客様各位」「会員の皆様へ」のような宛名は、一気に他人行儀になります。最低でも名前を入れ、できれば前回の情報に一言触れます。
3. 特典のバラマキ:毎回クーポンを付けると、「クーポンがないと行かない」お客様を育ててしまいます。特典は「久しぶりの方へ」など理由とセットで、頻度を抑えて使います。
反応を高める3つの工夫
① 前回の情報を一言入れる:「前回は肩こりが気になるとおっしゃっていましたが、その後いかがですか」の一文があるだけで、開封後の反応はまるで変わります。これはカルテに来店時の会話を残しているかどうかで決まります。
② 来店ハードルを下げる:「ご予約はこちらから30秒で」「ご都合のよい日を3つほど教えていただければ調整します」など、お客様が動きやすい導線を用意します。
③ やんわり期限を添える:「今月末まで」など軽い期限があると、後回しが減ります。ただし煽りすぎは禁物です。来店後の継続的なフォロー設計は「サロンの21日フォローを忘れない仕組み」も参考にしてください。
一番むずかしいのは「毎月続けること」 — 手作業の限界
ここまで読んで、「文例は分かった。あとは送るだけ」と思われたかもしれません。ですが、本当の難所はここからです。
「誰に・いつ送るか」を毎月、手で管理するコスト
久しぶりのお客様への声かけが効くと分かっていても、毎月カルテを見返して「最終来店から60日を超えた人」を探し出し、一人ひとりに合わせて文面を変えて送る——これを施術の合間に続けるのは、現実にはとても大変です。実際、来店後フォローの実施率は5%にも満たないと言われ、多くのサロンで「やったほうがいいと分かっているのにできていない」状態が続いています。この「やれていない」状態が、当メディアでも繰り返し触れてきた月17万円規模の機会損失につながります(試算は「休眠顧客3ヶ月放置でサロンの月商はいくら消えているか」)。
Ripiaなら、声かけの「判断」と「送信」を自動化できる
この「毎月の手作業」をまるごと肩代わりするのが、サロン特化のBPaaS(実行代行サービス)であるRipia(リピア)です。Ripiaは、お客様の来店履歴から「そろそろ連絡したほうがよい人」を自動で見つけ出し、一人ひとりに合わせた再来店メッセージのたたき台をAIが作成、LINEやメールで送るところまでを支えます。サロン側は内容を確認してGOを出すだけ。「文例を探す」「対象者を探す」「毎月続ける」という、本記事で挙げた手間のほとんどが不要になります。次回予約・21日フォロー・休眠予防まで含めた自動化の全体像は「リピート率を上げる顧客フォローの仕組み」で詳しく紹介しています。
「やったほうがいいと分かっているのに、手が回らない」を仕組みで解決したい方は、Ripiaを無料で始めるからお試しください。
まとめ:今日からできる3ステップ
① カルテを開き、最終来店から60〜90日を超えた「優先度の高いお客様」を5人だけ書き出す。
② 本記事の文例を自店向けに直し、まずはその5人に送る(メールなら法律のルールを確認)。
③ 反応を記録し、続けられそうなら仕組み化を検討する。
完璧な文章より、まず一通送ること。久しぶりのお客様は、あなたからの一声を、案外待っています。
よくある質問(FAQ)
Q1. どのくらい間が空いたら送ればいいですか?
A. 自店の平均来店周期の1.5〜2倍が目安です。月1来店の業態なら45〜60日、2ヶ月周期なら3〜4ヶ月が「ご無沙汰」のサインです。
Q2. メールとLINE、どちらがいいですか?
A. まず開封されやすいLINEが手軽です。ただし登録していないお客様にはメールやハガキを使い分けます。メールは特定電子メール法のルール(同意・送信者表示・配信停止)を守ってください。
Q3. クーポンは付けたほうがいいですか?
A. 必須ではありません。付けるなら「久しぶりの方へ」と理由を添え、頻度を抑えます。値引き目当ての来店を育てないことが大切です。
Q4. 返信が来なかったお客様に再送してもいいですか?
A. 1回送って反応がなければ、間を空けてもう1回だけ。それでも反応がなければ深追いしません。優先度の高い方に手間を集中させます。
Q5. 文面を毎回変えるのが大変です。
A.「書き方の型」をテンプレ化し、前回情報の一言だけ差し替えるのが現実的です。対象者の抽出と文面作成をまとめて自動化したい場合は、「リピート率を上げる顧客フォローの仕組み」のような仕組みの導入を検討してください。
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